知覚過敏症とは、歯の神経が何らかの原因で刺激に対して過敏に反応する状態のことです。 歯の神経には痛みを感じる神経しか存在しないため、「知覚が過敏になる」=「痛みを感じやすくなる」ことになります。 知覚過敏症の治療は、原因によって対応が様々です。 治療として「対症療法」と「原因療法」が行われます。 しみる状態を緩和するための「対症療法」では、刺激を遮断することを目的に、 しみる原因を除去するための「原因療法」では、原因となっている問題を解決することを目的に、 噛み合わせの調整、生活指導、歯磨き指導、歯周病や虫歯の治療を行います。 「対症療法」と「原因療法」を組み合わせて知覚過敏の治療が成立します。
歯並びは成人してから治すものだと認識している方が多いようですが、今や治すものではなく予防する時代です。 小さなうちから予防して、お子さん自身の成長だけできれいな歯並びになっていくことが理想ですし、 噛み合わせには子どもの体の姿勢が大きく影響し、それが歯並びを左右することもあります。 噛み合わせはすべての健康につながっていくもので、高齢になっても歯を残してしっかり噛むことが認知症予防につながると注目されています。 正しい姿勢をつくることが健康への第一歩となると考えられています。
歯を噛みしめたまま、ずらさない場合もあります。ずらさないので音はしませんが、 これを無意識の食いしばり(クレンチング)といいます。 歯の痛みや歯の揺れが気になる時、原因は無意識の食いしばり(クレンチング)の疑いがあります。 ストレスによって顎の筋肉が過度に緊張し、歯に強い圧力がかかって起きてしまう症状のことです。 心身にストレスがかかって緊張すると、顔つきが変わり、それに伴い口元も引き締まります。 この筋肉の緊張により歯に強い圧力がかかってしまいます。
歯ぎしりの原因として、下の歯のかみ合わせの悪さが挙げられていますが、ストレスも多く関係しています。 歯をすりあわせる、食いしばる、カチカチ鳴らすなど、眠っている間に無意識で食いしばりをおこし、歯ぎしりをしてしまう方が多いです。 睡眠中に無意識に行う歯ぎしりは自分で気が付くことが難しいため、周囲からの指摘や歯科医院での定期検診ではじめて自覚する方もいます。 治療法として、歯科医院で歯型をとってマウスピースを作製して就寝時に装着することで、歯ぎしりによる歯へのダメージを軽減させることが可能です。 また、マウスピースの他、矯正治療によって歯並びを整えたり、既存の詰め物をすることで歯ぎしりを改善させる方法もあります。
歯の健康は、ものをおいしく食べる、会話を楽しむなど、豊かな生活を送るために必要です。 また、生涯にわたり自分の歯を健康に保つためには、むし歯や歯周病の発症を予防することが大切です。 歯を失う原因の50%が歯周病と言われており、糖尿病、脳卒中などと同様の生活習慣病の一つです。 歯周治療は歯科治療の基本で、歯周病を改善してからでないと虫歯治療、審美治療、インプラント治療はできませんし、 特に歯周病については糖尿病をはじめとした全身疾患と深く関連しているため、 全身の健康と関連づけて予防に取り組む必要があります。